2008年4月15日 (火)

夢のおこぼれ

もう2ヶ月近くも前の話になるけれど、北陸トリップ記の最終回。

旅の三日目、急にやってきたさみしい気持ち。のんびり過ごしていたわりに、楽しい時間は過ぎるのがほんとうに早いもんだ。身を切るような寒さでこの日もあたたかいインナーを着こんで、ザックに荷物を詰めて、ホテルをチェックアウト。なんだかおなかがいっぱいで朝ごはんがちゃんと食べられなかった。この日は一日中Kさんを独り占めで予約!前の日の夜にもお酒を飲んで良い時間までいっしょにいたのでこの日はお互い布団の中からメールで「今起きてね…」「まだ布団でね…」というわけで集合時間をすこしだけ遅らせて。ゆっくり準備してバスに乗り込んで金沢の駅にて待ち合わせした。そのまま歩きで市場のほうへと連れ立っていただく。途中で気になる雑貨やさんに寄ったり、右に左にきょろきょろしながらの散歩気取り。何度も思ったけれど、平日の昼間に金沢でフラフラしている状況ってとても稀有。旅の醍醐味を味わっている実感がフツフツ。

乙女なブランド、ロルの甲斐みのりさんの本「乙女の金沢」をこっそり買って読んでいた往路の機内。(関係ないけどやっぱり「乙女」という言葉って違和感を感じる。当たり前に乙女でいられるのは十代までだろうよね?あえての精神的乙女、なんだよね、この場合。分かってはいるけれど、もどかしいキーワード。)気になるお店や食べ物は盛りだくさんで、ぜんぶ回るのは絶対に無理であろうと諦めつつもやっぱり近江町市場は行ってみたかった。まずお寿司(ノドグロを2回頼んだりして)で腹いっぱいになり、お目当てのお土産を探しに十字型になっている市場内をとりあえず歩く。目に飛び込んでくる色が鮮やかで、やっぱりカニの朱色や茶色が印象的だった。アジアを感じた。そしてここでは人生の勉強になるようなことがひとつ!結果的に直感に頼ってよかったと思えた。ま、松葉カニの話です。うまい話には裏があるかもしれない、といくら非日常の世界でも念頭に置いておかなくてはならない。目は口ほどにモノを言うということも実感したねこりゃ。ウムウム。

Oumichouichiba
一歩入り込むとワクワク感倍増!

お世話になってるお方用の立派な松葉ガニを宅配にて手配、加賀野菜の五郎島金時と丸いもも購入してほくほくで市場を後にした。近くのデパートに寄って一目でホレてしまった座布団カバーを購入。石田屋さんという金沢の寝具メーカーさんのもの。銘仙をつかった生地でなんといってもデザインがとてもモ・ダーンなんである。腕時計柄とエンピツ柄のそれを自分用に購入。併設のカフェにてお茶と甘いものを摂取してほっとした。BGMがこの頃よく聴いていたスティングの曲を日本人のアーティストがカバーしたもので、ちょっとドキリとした。カフェの大きな窓から市場が見えて、再開発しているのだと、大きなクレーンが動いていた。東京もそうだけど、どこもかしこも日本全国工事中だ。なんだか町って変わり続けるでっかい生き物みたいだなあ、と誰の視点で考えているかよくわからないことを思った。

お次は金沢に来たらここに来なきゃ…と思ってはいたがなかなか至れなかった、ひがし茶屋街へと。格子の扉が気持ちよい眺めのまっすぐな道。明度の高い赤に染まった木枠。城下町のお茶屋街、藩政時代のつやっぽい情緒はわたしにも一端に感じることができたような。格子戸の小さな雑貨やさんがちょこちょこある。ここは夜はどうなってるんだろう?と思わせるような気になるお店も。デートするにも雰囲気があってステキだろうなあ。うちの母親も好きそうだわぁと、いつか連れて来たいと思った。加賀棒茶で有名な丸八製茶場の一笑という茶房へと連れて行ってもらって、ほっと一息。いや、二息くらいついたね。センスがキラリと光った器で運ばれたお茶とお菓子。美味しいお抹茶をいただいて骨抜きにされた。さらに冷たい棒茶も。香りがふくよかで鼻に抜けるときのほっとする度が果てしないお茶だ。落ち着くしほんとうに良いお店。こんなところが近くにあったらなあ。自分用と人に配る用に茶葉をわんさかと購入してほくほくでそこを後にした。

Higasichaya
紅柄格子(べんがらごうし)が美しい。
夜の様子を想像して、かつての「廓」を思う。

そろそろ帰らなくてはいけないリミットが近づいてきていた。バスにゆられて目指すは金沢駅。充実したおみやげ街でアレやコレと目移りしながら、お菓子などを購入。おみやげをいくら買ったんだろう…とハハハと笑いながら、小松空港行きのリムジンバスへと乗り込んだ。車窓からは3日間の北陸旅行を何倍にも楽しくしてくれたKさんが見える。やっぱりここでも平日のこの時間に金沢にいて、何時間後には東京にいて、という状況が非日常であり不可思議なもんだと笑いたくなってきた。

空港では前の晩にしたためた大事なことを書いた大事な友人宛ての手紙を投函して、フライトを待つ。次にここに降りるのはいつになるだろう?またカニがおいしい季節?旅の思い出がめまぐるしくまぶたの裏にうつって、うつらうつらしてきた頃に夜の羽田空港に到着した。夜の空港は昼間よりももっとドキドキする。点滅する光がキレイ。星のマークの飛行機がゆっくりと動く。この2週間後に(特に用事もないくせに)またここに来ようとはこの時は思わずに帰途へとついた。渋谷でひとり、トンカツを食べて。

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2008年4月 3日 (木)

夢の中歩くように

旅の二日目は石川県のおとなり、富山県へと足を伸ばす。氷見にて現在開催中の藤子不二雄A展を観に行くためだ。ホテルの朝食バイキングで満腹になって山用のインナーを着こんで靴も履き替え毛糸の帽子をかぶり…部屋で待機。けっこうな吹雪を小さな窓からお茶をすすりつつずっと眺めていた。平日の午前中に、知らないまちのホテルで一人過ごすというシチュエーションを楽しんでいたのだが、いつまでたってもやまないので意を決して外に出た。まずはホテルの近くにある尾山神社というところへ気の向くままに。鳥居のむこう、見上げた階段の上に見える神門の古そうなステンドガラスにロマンを感じた。庭園をてくてく歩いて、雪のふる景色を楽しんだりした。セルフタイマーで写真を撮っていたら、旅行者風のかわいい女の人からニコリと「撮りましょうか?」ととつぜん話しかけられてドギー&マギー!お返しにわたしもシャッターを押して少しお話をしてからさようならと別れた。

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尾山神社にて。

昼前くらいに金沢駅に行き、高岡・氷見方面の列車時刻表をチェック。すこし時間があったので、お土産やさん街をうろちょろして目移りする。ふくさというフワフワモチモチの皮に包まれた粒あんのおかしをひとつ買って、待合室でモソモソと頂いた。定刻どおりにJR北陸本線・高岡行きは発車。さっきのふくさ、電車の中で頂けばよかったなあと少し思いながら大きな窓から見える景色はどんどん真っ白に。高岡駅で氷見線に乗り換え、2年半前の夏に行ったときには調べていったにも関わらずその日だけ点検でタイミングを外したハットリくん列車に期せずとも乗車することができた。氷見の名物、ブリを大々的にフューチャー、立山連峰をバックにハットリくんらが舞うというダイナミックなデザイン。車内もハットリくん一色で、車掌室の近くにはA先生の生サインが!地元の高校生軍団がじろじろ見るのに耐えつつカメラをかまえてここぞとばかりにパシャパシャ。

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サイン!

氷見線はずっと湾に沿っているので、景色が海を臨んでいてとても壮観だ。運がよければ海越しの立山連峰が見えたはずだが、晴れオンナパワーはここで発揮するに至れなかった。しかし雪のふる海と小さな島たち、たくさんの海鳥がいる眺めはザッツ・非日常!氷見に到着して観光案内所でお目当てのギャラリーまでのアクセス方法を伺った。かなりの雪が降っていたので、タクシーを使って行くことに。タクシーのおじさん(水島新司似)にお昼の食事ができる場所や自分の素性をペラペラと話してほどなく到着。4年前に品川で開催したA先生の展覧会時のポスターに似たデザインの赤い看板がドーーン!と構えてあり、それだけで胸がドキドキと高鳴った。

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潮風ギャラリー入口にて。

コートに積もった雪を払って入ってみるとお客はわたし一人。わざわざ東京から一人でこんな日に来るなんて…と驚かれつつもゆっくり観ていって下さいねと受付のお方がおっしゃってくれ、原画も、原画のコピーも、トキワ荘14号室の再現セットも、蔵書コーナーも、すべてゆっくり贅沢に堪能させて頂いた。再現セットのテーブルは手塚先生にもらったそれじゃないなーと思いながらも、宇宙に匹敵する広さの四畳半を目の前にしてクラクラする。靴を脱いでじゅうたんの上で読書できるコーナーでは、未読だったジャンプSQの新連載コラムや荒木先生の読み切り(岸部露伴は動かない)も読むことができた。窓から見える景色はお世辞にもにぎわっているとは言えない港町の商店街のさびれた様子、それに吹雪のフィルター。とても静かである。とうに冷たくなったペットボトルのお茶の残りを飲み干して少しだけ寂しくなった。それでもぜんぜん悪くない心地。

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石川県にはこんなオブジェが!
次回はぜひにこの前でジョジョ立ちしたいものよ。

これからどうしようかなと思っていたところにギャラリーのボランティアの方が声をかけてくれて近くの、とあるお寺さんに行かないかいと。その名前を聴いてドキッとした。A先生のご生家なんである。一瞬で「少年時代」のお寺さんが思い出される。じぶんの状況が飲み込めないまま連れ出してもらい、お堂の中に入らせてもらい住職さんの心に響くおもてなしをいただいた。寺院内を案内してもらえることになり、まさかまた観られると思っていなかった手塚治虫先生から受け継がれたA先生の机を間近で観ることができた…。ほ、ホンモノじゃないか!廊下にはそこに泊まりに来たという園山俊二先生の原画や「愛…知り染めし頃に…」にも出てきた浮世絵風に描いたトキワ荘住人たちの似顔など、ここに来られなきゃ観ることができないものたちを住職さんの説明付きで独り占めすることができた。こんなスペシャルなこと、予想してなかった。ありがたくて信じられなくて、目が泳いでいたと思う。心からの感謝を伝えて、いや、伝えきれずにその場をあとにしたのだが外は雪がさらに強まっていた。

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A先生によって描かれた屏風。かわいい。
裏は喪黒服造を模した達磨さんの画だった。圧巻。

お腹を満たすべく海遊館という港にある市場へ向かいたいと伝えたところ、送ってもらえて至れり尽くせりの氷見来訪。だだっ広い食堂にまたしてもわたし一人というシチュエーションでお目当ての寒ブリと甘エビのたっぷり入った海鮮丼を頂く。横なぐりの雪が降る様子をまたぼんやり見ていた。海と雪の景色は眺めていてもなんだか飽きないもんだ。お腹も満たされたので駅に向かうことに。ついさっきまで雪が降っていたのに、青空が見え隠れしだした。前もそうしたように海岸沿いを寄り道しながら歩いた。だんだんトワイライトな空になって、いつのまにか海鳥も砂浜に集まってきていた。1時間に1本というローカル線、次を逃したら暗くなっちゃうよと頭では分かっていたはずなのに駅まで行くのに道を間違えてしまい(ハイ、出ました!)、あらかじめ決められていたかのように目の前を乗るはずだった列車が通過。そんなわたしを地元のおばちゃんが民家の2階から見ていてニヤニヤしていた。ペコリと頭を下げるとなぜか奥に引っ込んでしまい、つげ義春の旅行記っぽいなーと我が身を傍観した。風はとても冷たかったけど、大きな思い出ができたなあと満足な気持ちだった。

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氷見の海を臨んで。
帰りはうそみたいに晴れた。

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ひとりでこういうことをしながら時間をつぶす。

雪のおかげでダイヤが乱れつつもうとうとしながらゆっくりと金沢に帰還、高岡に寄ってコロッケでも食べていく予定だったけどそれはまた今度。きっとまた来る。いったんホテルに戻って荷物を置き、この夜も金沢の美女にお付き合いいただくことに。地元の飲み屋さんに案内して頂き、ノドグロのおいしさ、白子焼きのソロ食い、念願の鰤しゃぶ&香箱がに、エトセトラエトセトラを堪能。このときに話したこととか、未来につながっていけばいいなと思った。いろいろお話をきいてくれてありがとう。なんだかわたしはこのとき、とっても素直に口から言葉が出てきていたような気がする。すてきな本もありがとう。こりゃー、ものすごくいいぞ。次は京都だな。この夜もいい時間にホテルへ戻り、えへらえへらと(次の日ふつうにお仕事のあの子をとっつかまえて)テレビ電話などに興じる。次の日はとうとう帰らなきゃなのねとちょっと寂しい気持ちで就寝。

つづく。

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2008年3月31日 (月)

夢だけ呼んで

2/26~2/28の二泊三日で金沢~氷見へ自分を甘やかしに出たという北陸トリップ記。長々しく書きつづっていたのでちらほらアップしておこうと思う。

自宅に3度出戻るという自分でも呆れてしまう忘れ物をしでかしたあと、ひとつ、いや、ふたつの予定を変更して早めに到着した羽田空港。誰かと誰かが、何かと何かが、交差してそして挨拶を交わしていくような空港の雰囲気にワクワクする。矢印と番号に導かれてチェックを済ませ荷物を預けた。スタバで外国人の方に話しかけられるがなんとおっしゃってるか良くわからない。わたしなりの解釈で「サンドイッチを交換してクーダサイ」と言われているような気がしないでもなかったが、真偽のほどは今だって定かではないのだ。

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金沢駅にて上を見上げる。

もちろん席は窓際で、と平日昼間の余裕な予約をして乗り込むJAL便。楽しみにしていた清水ミチコの機内放送はすでに期間終了していた模様…。小一時間のフライトは、これからはじまる3日間のことを考えてるだけで終わってしまった。気付けば小松空港、曇天模様で明らかに顔に触れる空気は東京よりも冷たい。預けたザックを背負って金沢行きのバスに乗り込む。耳に流れ込んでくる音楽はあったかくて切ない。旅気分を盛り上げるに決まってるじゃないか。雨のそぼ降る香林坊で下車、誕生日にもらったステキすぎるカサをさし少し歩いてホテルにチェックインした。激安な値段の割りには良いホテルでなかなかに満足。お風呂も広くてとても快適だった。足伸ばして首まで湯に埋まってあーーってできるくらいの。そしてまもなく金沢に住む(フジロッカーで本の虫で旅好きで誕生日一日違いで水瓶座の)おともだちがロビーまでお迎えに来てくれて再会の挨拶もほどほどに(去年のHeaven's Jam以来だったのだね!)腹ごなしに行った。高い天井、大きな音で響くダンスミュージックがなかなかに心地よいカフェでカレー。濃厚だけどさらっとしてておいしかった!北陸旅行のはじまりにふさわしい縁起の良い食事だ。そして「さっきリハで思いっきりビューティフル・デイが聴こえてきたよう」というもっきり屋というお店へ向かう。キセルのライブ in 金沢なのだ。旅にこんな予定を盛り込めるなんてオトナって自由だよね。

もっきり屋さんは木でできたぬくもりのある内装。夜はジャズのライブをしたりしているのだそうだが、ふだんは街の喫茶店の類いなんであろうこぢんまりとした雰囲気。手を伸ばせば弟のあのプレベが、前に倒れ込めば兄のあのグレッチが、触れられてしまうくらいの位置で鑑賞。マジック・アワーの兄弟ハーモニーではじまり、あのアルバム一連とタワレコ特典だった弟作曲の「イギリス海岸」そして「くちなしの丘」も。アンコールは大好きな「ベガ」と「ハナレバナレ」そして高田渡さんの「系図」という曲も演った。わたしの前に座ったあの子も泣きそうになっていたみたいだけど、背中のわたしも同じくだったよ。寒い空気に閉ざされた中のひっそりとしたプライベートパーティーみたいな心地の夜だった。今までに観たキセルのライブで一番良かったと断言だ。臨む気持ちも大いに関係すると思うけれど。今までに見たことのあるようなないような景色をイメージしながら、いろんなことを思った。曲を聴けば聴くほどに形作られてはっきりしてきた、ひとつの思いがあった。なので、キセル兄弟がMCで「僕らがライブ中にお客さんはなに考えて観てるんでしょうかね」なんて言っていたときにはドキリとしてしまった。近年、なんだろう?ライブを観ていても良くも悪くも内省に迷い込んでしまうことが多くなったなーと思う。ほんと、みんな音楽を聴きながら何を考えてるんだろう?周りを見渡すといつもの東京のそれとはまたちがう感じがするお客さんの顔ぶれ。もっきり屋さんの常連なのかしらと思わせる年配のお方もいらっしゃる。「ほんとに狭いからびっくりするよー」とチケットを取ってもらったときから耳打ちされて楽しみにしていたけれど、あんなに狭くて心地よい場所だとは。秘密基地みたいな趣もあったなあ。ずいぶんと地方ライブの良さを感じ取ってしまった。今度のキセル兄弟は磔磔にてライブを観てみたいものよのー。

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ライブ直前のステージ。
ステージという名の狭い店内の一角。

ほっこりした最高の時間のあとは大雨の中、こちらのステキなお店へ連れてってもらう。お店の引き戸を開けると白く美しい木目の内装。木と白い陶器とガラスってよく似合うなあ。なんだかお店の中に流れる時間がゆったりしている。お店に入ったとき、Sketch Showの大好きな曲「Do You Want To Marry Me」が聴こえてきてかるく鳥肌が立った。ん?寒かったからか?窓から見える雨粒が時折みぞれになったりしてるのかなと思わせるくらいスローに見えた。ふだんあんまり飲まない梅酒をいただきたくなって2,3杯ほど。お腹一杯のはずだけど、先付けで出されたものがどれもおいしくてかわいらしくて、だし巻きたまご(好物)やホタルイカ一夜漬け、ピクルスなどを肴にあんな話やこんな話をした。そうそう、薄いガラスのカップって口当たりがよくてさらにおいしく感じるものだね。某アーティスト掲示板にわたしそっくりな文体で、しかも名前も一緒、内容もシンクロナイズド!という書き込みがあることを教えてもらう。…鳥肌が立った。これはわたしを知ってる人だったらわたしだって思っちゃうよ。世の中には見た目の似た人が3人はいると言われているけれど、性格やら好きなものやらがそっくりな人ってのも3人くらいはいるんじゃないかね。明日の夜もお付き合い願います、と美女へ打診し良い時間にホテルへ帰る。広いお風呂に湯をためすぎてあふれさせたり、平日の夜中に旅の成果を一方的に報告するという迷惑な長電話に付き合ってもらったりしながら就寝。ひとまず3度出戻ったわりに順調な滑り出しの旅になったかなあ、とほっとして。

つづく。

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2008年3月 2日 (日)

覚えてただ眠ろう

身体も心をもぼうっとさせる40度越えの熱。うなされて起きてそこからはもう。ふらふらと医者に行って尻にされた注射で気絶してしまい(激烈イタイ!)お医者様に家まで送ってもらうという失態。いや、すごく親切なお医者さんでよかった。てか、なんだそれわたし!ものすごく恥ずかしいぞ。旅から帰って来たあとの部屋は散らかっている。とんでもなく散らかっている。その中で薬を飲んで眠る。静かに眠る。起きるたびに何を想おう、心細くなる。また薬を飲んで静かに眠る。眠っているのか眠っていないのかよくわからないような心地の中で。今朝は少し熱が下がっていた。とっても楽しみにしていた週末も台無しになってしまったし、部屋の片付けだってできない!身体は資本だと改めて当たり前に思う。よな!友人2名が同じ頃にしてインフルエンザにかかったと聞いて、わたしも気をつけようと思ったばかりだったのに。「調子に乗るなよー」と誰かから言われてるような、そんな感じ。はひ。

今はとっても胃の中に入る気がしないけれど、食でつづる北陸は金沢・富山への旅。ノドグロの美味しさはショーゲキ的で、前日に焼き物を食べたくせに翌日のお寿司屋さんでは2度注文してしまったほど。念願の香箱がにも頂けたし(しかし冷凍ではない解禁中のモノこそオススメだと言うので今度は12月くらいの旅になるかしらね…)金沢美女のおかげで、前回の旅行よりももっともっと堪能することができた。そしてやっぱり加賀棒茶はおいしいなあ。香り高く、ほっとするお味。

SoupcurryAkanite_2Pikurusu
TamagoyakiNodoguroShirako
BaigaiYariikaKoubakogani
BaigaisushiAmaebiUni
ShiroebiJaws2Muurugai
IchibanosakanaTaruhimeIsshouocha

これらの美味しさについては、説明不要。ご希望の方がいらっしゃったら説明します。5、6時間くらいかけて紙芝居方式にどうですかね。この他に金沢にて鰤しゃぶ、氷見の港にて寒ブリたっぷりの海鮮丼を頂いた。大雪の降るさびれた漁港を眺めながらの食事はとっても非日常だった。こうして見るとほんと良く食べたな…。氷見でぷりぷりの美味しいうどんを食べられなかったのは無念なんである。

まぁ、とにかく、熱下げよう。

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2007年9月21日 (金)

センチメンタルジャーニー

夏はまだ終わってなかったみたい。仕事も含む身辺のドタバタを一段落させて、先の三連休+有給休暇を使って栃木へのんびりと旅行してきた。

わたくしー栃木県出身なのだけれどもーー
だから栃木へ旅行してきたってへんな感じなのだが群馬県との境ギリギリの県南で生まれ育った背景があるからして県北のことはよく知らない。キッパリ。そして折にふれて群馬県の肩を持ったり、お国自慢のつもりが群馬県のことを言っていたりということがあるので、この旅の同伴者より群馬県のアイデンティティを持つ栃木県人と評された。県庁所在地である宇都宮市に至っては、数えるほどしか訪れたことがない。おいしい餃子の店は?なんて誰かに聞かれても「あー、みんみん行っとけ」なんてテキトーに有名店の名を挙げてこなしていた。聞いてくれた方、そんなわけなんですソーリー。今回、餃子やさんをはしごして美味しい店にも行ったので次は自信をもってオススメできる。フガフガ。

前半のメインはRADIO BERRYというローカルラジオ放送局が主催する野外ライブイベント、ベリテンライブに参加すること!チケットを取り損ねたので着の身のままで赴いたのだけれどもやはり当日券も最終手段のダフ屋も出ていなかった…。外でも音は聴こえてくるしまぁいっかと会場から離れた。そして真夏のようなカンカン照りの中、一番暑い時間を敷地内の温水プールで泳ぎつつ涼をとって時間をつぶし(最高だった!)裏技を行使してわたしたちにとってメインの斉藤和義からガッツリ堪能することができたイイトコ取りっぷり。せっちゃんの歌はどれも(といっても5曲しか演らなかったのだけど)胸に迫ってきた。「ベリーベリーストロング」と「虹」で、わたしはこの人のつくる歌が好きだと確信してしまったよ。うむむ。「オリオン通り」を聴いて前の日の夜にフラフラと散歩した宇都宮の街の景色がまぶたの裏にじんわり蘇ったんだった。いい街だと思った。

そのあとはゴーイングアンダーグラウンドとアジカンをチラ見して天下一品ラーメン(屋台!)を食べて早々に退散。田舎の夜道は虫が大音量で鳴いている。モーター音のような大きな音はくつわ虫?ガチャガチャ煩くてビックリした。あんな大きな音ははじめて聴いたぜ。しかもステレオだしさ。月と星がきれいな空は、ぐるりと見渡すとプラネタリウムみたいに、まあるく見えてくる。焼き肉をごちそうになったのに、すぐにおなか一杯に。天下一品ラーメンを汁まで残さず食べた自分を軽く呪う。

田舎の夜は早い。ごはんを食べたらあとはひとっ風呂浴びて就寝あるのみだ。田んぼに囲まれたところで眠ると、この時期はスズメやらなんやら鳥の鳴き声で起こされるということが判った。チヨチヨチュンチュンという声で早起きする。もう稲刈りの時季なんですなあ。栃木のお米はおいしい。お水がおいしいとなんでもおいしくなるのかな。黄金色の景色を見ていたら、金髪の草原を読み返したくなった。あ、そういえば大島弓子先生も栃木県出身だわね。いつのまにか生まれてきた栃木県人のアイデンティティ。

後半のメインは鬼怒川・川治温泉へ列車の旅。宇都宮から在来線の日光線に乗車してまもなく到着。下今市の駅でバスと電車乗り放題のフリーパスを購入して荷物を預けまず赴くは日光江戸村。栃木の誇るゆるキャラスター、にゃんまげのいるところ。入場するもあまりの緩さに気持ちもたるむ。いまいちテンションも上がり切らずに(でもそれがちょっと心地よかったりするのだけど)うらうらと江戸の村を練り歩いた。忍者ショーがカッコよかった。テンションの上がり切らなかった要因のひとつは、にゃんまげ本人がいなかったという事実!なので、顔出し看板でわたしがにゃんまげになってきた。

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アキまげ。

鬼怒川温泉駅の駅前には足湯があって一息つける。知らぬ者同士が足を投げ出してぼんやりとしている姿がなんだか幸せな光景だなあと思った。東京にも駅前とかに足湯があればいいのにねーなんて話していたけどすぐにルンペンのたまり場になるでしょと現実的に翻して笑ったよ。

夕方、風が涼しくなってきた頃に宿泊するホテルのある川治温泉駅まで行く。駅に到着するとお迎えが来ていて嬉しくなる。チェックインして部屋の広さと畳の青さに疲れも忘れて早速と言わんばかりにゆかたに着替え大浴場へ。竹林の中にある露天風呂。湯気で濡れた竹の葉がつややかに光る。たくさんの星もよく見えるし、最高のひとときだった。最高のひとときはひとときではなく継続するものだった。お風呂から上がったらお楽しみの夕食の時間。あまりにも美味しかったのでここに記しておく。なんかもう、食べてばっか。これも旅の醍醐味なのだけどさ!

先 付  生湯波茸のこ餡
       網茸酢味噌和え
鍋 物  茸のこ鍋
お凌ぎ  山奥寿し
香の物  野沢菜 日光沢庵 赤かぶ
中 皿  酒蒸し地鳥
台の物  秋蕎麦の実大和芋掛け
煮 物  下野煮
焼 物  岩魚塩焼き又は牛ヒレステーキ
揚 物  秋の味覚舞茸 エリンギ 丸十
食 事  栃木産コシヒカリ
吸 物  鬼子蔵汁
水菓子  マンゴープリン

山奥寿しはミョウガとシイタケとマスのお寿司。それと地元野菜たっぷりの下野煮はお凌ぎとしておかわり自由。このメニューに地ビールの日光ビールを注文していただいた。岩魚と牛ヒレで迷った挙句、わたしは牛ヒレを。鉄板にこげるバターとお肉の香りでニヤつくのはいったい何歳まで有効でしょうか?もうダメでしょうか?美味しかったねーを連呼してオヤスミ前にまた温泉。こんな贅沢、大人ってすごく楽しいよと子供の頃の旅行があまり好きではなかった自分に言ってあげたい。今になって、忙しいところ週末の休みとなれば色んなところに連れていってくれたお父さん、お母さんに感謝する。

朝食のメニューもぬかりなく、特に焼きたてのバターロールの美味しさたるや!ふかふかでもちもち。旅先の朝食ってなんであんなにたくさん食べられるんだろう。満腹になるまでいただいて(デブ)少しうつらうつらしてから荷造りののち後ろ髪引かれながら宿を後にした。大変気持ち良く過ごせる宿だった。また別の季節にでも訪れたい。温泉とおいしいごはんでなんだか肌がツヤツヤしたのはよかったのだけれど明らかに丸くなった顔については見て見ぬフリをしておこう。

お昼に駅前できのこそばを食べてから、再度電車に乗り込んで龍王峡(駅の表記は竜王峡)で下車した。秘宝館に行くために…。うら若き、いや、この際若いか年寄りかは別として、嫁入り前の娘が行くべき場所かと問われれば笑顔でイエスサー!合言葉を発して割引価格にて入場した。入るや否や昭和臭プンプン。展示の仕掛けがちゃんと作りこんでいるものが多く、中でも滝の流れるショーステージに意外と本気で楽しめてしまった。貪欲に楽しんだと言ったほうが良いのかもしれない。天狗とおかめが乱舞する映像作品も現代舞踏の趣ですばらしい。言うまでもなく内容はとてつもなくアレなわけだけどな!去年も伊香保にある秘宝館に行ったよなあと生ぬるく思い出す。日本のこういうとこってなんかちょっといいと思う。大切な文化だよ!

いちいち笑い転げながら建物を後にして、うってかわってウッディーな雰囲気のレストランにて喫茶タイム。おいしいコーヒーと豆乳でできたババロアをいただく。眼下には稲刈り前の田んぼというロケーション。風鈴がチリリンと鳴って実にさわやかだ。同じ敷地内には異臭を放つ秘宝館があるという事実を除けば…。

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柔らかな日差し、心地よい風、見上げれば秘宝館。

まだまだ帰りの時間まであるということで沢のほうまで降りていった。ドドドドドという轟音とともに見えてくる水しぶき!虹見の滝という名所だった。運がよければしぶきの中に七色の虹を見ることができたのだそう。それにしても迫力があったなあ。川べりでは水切りに夢中。ツェペリさんの波紋かと見まちがうほどの水切りを魅せるアイツ。投げる石選びのコツからご教授頂いて、わたしも少しだけ上達した。少しだけ…(悔しい!)日本では千葉ロッテの渡辺投手が叩き出した32段というのが公式で一番の記録らしい。ちなみに石が跳ねる回数の単位は「段」だ。水切りに熱中するわたしたちは、まるで小学生の夏休みだった。文字通り時間を忘れてしまっていたため、ひとつ電車を見送る結果になってしまった。都会ではプライムタイムであろうこの時間帯にひとつ電車を見送って1時間半も待つとは田舎を侮るが如し。

やっと乗り込んだ列車は北千住まで3時間半の区間快速。ボックス席でテーブルを広げてお菓子とお茶を並べた。途中停車の下今市で突然聴こえてくる「べんと~ べんと~」の声。お弁当屋さんのおっちゃんが練り歩いて手売りしていた。うわ、なんかテレビの旅番組みたい!「なんのお弁当ですか?」と聞くと「ん?ちどり。」とのこと。なんだかよくわからなかったが、まーいっかと購入して包みを見ると「地鶏」の文字が。ワハハハ。一口食べてみると旨い。びっくりするくらい旨い。あっという間にごちそうさま。二色そぼろと釜飯の上に載った鶏の照り焼きが柔らかでジューシー。副菜の日光ゆばの煮物も良いお味だった。レベル高し、ちどり!駅弁をこうやって買えるのってすごく貴重なことなのでは?そんなわけで夕飯を食いっぱぐれていたので、結果オーライだった。自宅までの行程、そのあとはぐっすり居眠りして帰宅の途。そんなスペシャルがずっと続けばいいのにな。続けられるように日々をきちんと過ごそうと改めて思う。きちんと。

写真アップするも、グロが紛れていますので注意。虫嫌いは特に!!

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餃子メモ。駅前の「餃天堂」がおいしかった。水餃子に至っては小龍包みたい!あ、宇都宮餃子は地元民オススメの「武蔵」には入れず無念。井頭公園のプールやら温泉の施設内にある売店の餃子もかなりのレベルだった。羽付きのパリパリもちもち小ぶり餃子が好み。食べたりなかったので餃子ツアーは別途設けるべきなんだな。そういえば餃子像とのツーショットも撮り損ねたぜー。

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2007年6月13日 (水)

遠い昔は未来によく似てる

土日で京都にいってきた。一泊二日のコンパクトなトリップ。
母と2人で新幹線に乗ってどこかに行くのは初めてだった。
ワクワクと楽しく、ニヤニヤと愉快な旅になった。

◆ 2007/06/09 (1日目)

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品川駅→京都駅→北野天満宮→ホテルチェックイン→
嵐山でトロッコ乗車、天龍寺、渡月橋、桂川沿いで夕涼み→
四条川原町に移動、鴨川沿いでごはん→ホテル戻る
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朝7時過ぎ発の新幹線に乗って(品川発着ラクだー)
10時前には京都駅へ到着。西にスライドするにつれて雲行きが
あやしくなっていった。わたしは晴れ女なんですけどね。
母も「わたしは晴れ女だ」と言っていた。+と+で−効果…?

北野天満宮では着くなり、雨、風、雷がひどかったので
道真公の見下ろす門にてしばし雨宿りののち、お参りを。
あの子にあげる勧学お守りを左手に、よーくお願いしてくる。
十年ぶりのわたしのお礼参りも兼ねて。

まもなく黒い雲の間から青空が覗き、雨降って地固まった!
近くにあったうどんやさんで、しっぽくうどんを食べて
おやつに、あわもちとお茶をいただいた。いずれとも旨し。

ホテルに荷物をおいて身軽になってから、嵐山に移動。
天龍寺にて庭やら花を愛でて、すいすい飛ぶツバメにほっこりする。
トロッコ列車に乗って保津川(雨で増水プチ氾濫中)を臨んだ。
雨上がりの竹林と川、木々の匂いに移動の疲れもふっとぶ。
京都で森林浴となるなんて予想しなかったな。
そして列車の中にはサービス精神旺盛な鬼がいた!キャー!
バスに乗って四条河原町に移動し、鴨川沿い先斗町のお店で
京料理をコースで堪能。大変美味でござんした。はんなり。
恥ずかしながら、鱧ってはじめて食べたハモ?
ここでお酒を飲んだら眠くなってしまう…と珍しく自制して
コンビニでビールとチーズを買ってホテルに戻った。
母就寝の後、風呂上がりのビアで一人酔っ払って夢心地に。
キセルやくるりの音楽を聴いて、しみじみとしたり
草野キッドを夢見心地で眺めながら、ソファでうとうと…
夢にネイチャージモンが出てきてた気がするよ。

◆ 2007/06/10 (2日目)

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ホテルチェックアウト→二条城→四条河原町でちょっとお買い物→
詩仙堂、圓光寺→湯どうふ堪能→京都駅→品川駅
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朝起きて窓を開けると青い空に黒い雲、
雷を起こしそうなモクモクとした雲も後ろに控えている様子。
もう何も言いますまい。わたしは、雨女です。たぶん、母も…。
この日はゆっくりのんびり、湯豆腐を食べるのも目的に移動。
ホテルの目の前だった二条城でうぐいす張りをきゅっきゅとやり、
長い廊下に頸山城の長姫(栞と紙魚子シリーズ/諸星大二郎)
を想像してぶるぶる身震いしたりしていた。

そしてバスで移動。詩仙堂の庭がとてもよかった。
緑がとても濃くて、この時期に来られてよかったなあ。
そして桜が満開の春や紅葉の秋、白い景色の冬を想像した。
座敷に座ってしばしぼんやり。良い風も吹いていた。

地元、足利学校にもゆかりのある圓光寺も次いでに参り
駅へと戻ることに。途中で見かけたお店にて念願の湯豆腐。
こちらも大変おいしく頂いて、バスに揺られて京都駅へ。
後ろを振り返って、また来ます!と言ってきた。
品川駅に着いて食べたラーメンのしょっぱさといったら…!
それはそれで好きだけど、京都は食べ物が薄味で
やたらにおいしかったなあと感動したんだった。

母もよろこんでくれたみたいだし、充実の週末でチャージ完了。
次は手塚治虫ワールド京都国際まんがミュージアム
カレーやさんもラーメンやさんも喫茶店もかかさず行くつもり。
さてさて、いつにしましょうかに?

**

京都の風景たち。

KyototowerDoshaburiTenmanguunite

YoumanokiTenryuujiEkinite

TorokkohashiOniChikurin

KokemushiShakyoukanaTubamesan

NagayaniteAmenochihareTogetukyou

ShisendouShisendouhanaShisendouniwa

食べ物の記録。

ShippokuAwamochiNamafumochi

3shumoriAgemonoGyuufire

ToufusakidukeMisohamoGohan_shiru

IcecreamBanshakuYudoufu

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2006年12月 2日 (土)

HandJobs For The Holidays 〜 バリ島旅行記(その4)

●2006/11/19〜20

3時間前のアルコールとたらふく食べたブドウで
お腹の中のひとがものすごく膨らんじゃってる朝だった。
クーラーのタイマーが切れた部屋は相変わらず蒸し暑く、
外からはニワトリや犬の元気な鳴き声が聴こえてくる。
ああ、明日の今頃は帰りの飛行機の中だなんて!

「ねえ、若草さん 海の匂いがしない?
何かさ かすかにさ、汽笛の音も聞こえない?」
さてさてこのセリフ。
この朝に思い出した、あるマンガの中の好きなワンシーンだ。
正確には、ほろ酔いの3時間前に眠る直前に
ベッドの中でとつぜん思い出した。
汽笛の音なんて、きこえないのに。海の匂いだって、しないのに。
帰ったらすぐに何年ぶりかにあの本を開いてみようと思ったんだった。
それからバルコニーに出て、外の空気を吸い込んだ。花の甘い香り。
「すべてはああ、鼻から入る空気がうつくしく肺を満たす」

行きのグアムの空港にて乗り継ぎを待っている間、
なぜか石坂浩ニのニックネームをなかなか思い出せなくて
なんだっけなーなんだっけなー?と首をかしげていた。
どうして石坂浩ニのニックネームを思い出そうとしたのか、
「へいちゃん!」と思い出した頃には、そこんとこは忘れてしまった。

そしてこの日の前の夜、マンゴーやパパイヤをつつきながら
「きみたち、バナナ、パパイヤ、マンゴーだね」
「ちがうよ、ピーチ、パパイヤ、マンゴーじゃない?」
なんて会話をして。正しくは「キウイ、パパイヤ、マンゴーだね
ということを帰って来てから気付く。キキ、キウイ…。

記憶ってあやふやで、とってもあいまいなものだなあ、と。
わたしが忘れっぽいだけなのかとも思うのだけど。
部分部分がとても色濃く、浮き彫りのように見えることがある。
遠い記憶も近い記憶もフラッシュバックみたいに。
この一日のはじまりのお腹の重さも、へいちゃんのことも、
キウイのことも、それでずっと笑っていたことも、いつかきっと思い出す。

ちょっと寂しい気持ちで起き上がって、朝食をとりに行く。
そこから見る中庭、プール、たくさんの部屋は昨日と一緒の眺めで
今こちらに帰ってきてからも、同じ景色があそこで続いてるんだなあ、
と思うとたったの3日間だけだったのに、当たり前のことなのに
不思議に思う。世界はわたし中心に回ってるんだなあ。ハハ。

Haibisukasu
目の高さで咲いていた、大きな花びらのハイビスカス。
落ちたものを髪の毛に挿してみたら美人度が上がったよ!

この日は、チェックアウトが夕方の6時、8時くらいに空港に行けばよい
スケジュールだったので、おみやげを買ったり、散歩したり、
ホテルでのんびりしようかということになった。
出かける支度を済ませ、車を頼んで街のほうへと出ることにした。
いくつか目についたお店に入って、職場のひとやあの子たちにあげるおみやげを買った。
おともだちに頼まれていた「ジャムウ」という民間治療薬のようなものを探す。
あるジャムウは頭痛や肩こり、生理痛などに効果のある鎮痛剤的な役割を、
またあるジャムウは消臭、または痩身やアンチエイジングなど美容的なものの
役割を果たすそれもあるのだそうな。媚薬ジャムウなるものもあるのだとか…。
入った薬局のようなところでいくつかのジャムウを見せてもらい、試させてもらった。
ユーカリとスペアミントのようなすっきりした香りでなかなか良かった
「ボカシオイル」をひとつ購入。アロマオイルみたいなもので、
身体中どこにでも使え、そしてお茶などに入れて飲んでも良いのだそう。
インドネシアでは黒魔術で、医学とは無関係の力で病気を治したりする風習が
いまでも普通にあるそうだ。薬草でケガを治したりする。ドラクエだ…。

Jamuu
これが買って来た「ボカシオイル」というもの。
小さくてかさばらないので、おみやげに最適だったのかも?

お腹が空いてきたので目についたお店に入り、またミックスジュースを頼んだ。
バリは食べ物がどれもこれも美味しかったけれど、フルーツジュースが一番かも。
そのまんますりつぶしたような濃厚なドロドロが、たっぷりのグラスに入って
運ばれてくるのがうれしい!(そしてとても安いのものうれしい。)

DaredaDareda4Dareda3Dareda2

街角の道祖神シリーズ4連発。なーんか誰かに似てるよね?

買い物を済ませてホテルに戻った。まだ昼の2時くらいだったので、
プールで泳ぐことにして、ワッホーイ!と子供のように駆けて飛び込んだ。
レストランのスクリーンにはなぜか「功名が辻」が流れている…。
バリのホテルのプールにてちょんまげ頭を眺めるとは思いも寄らず。
すこし話すようになったオーストラリア人の老夫婦(わたしたちのことを中学生だと
思っていたらしい)も夢中で画面を観ていた。ヘンな光景。
熱い太陽にヤラれちまって、プールサイドのサマーベッドで横になったのなら
そこからの記憶は少しばかり、ない。

Oubeika
欧米か?

タオルからはみ出した足が真っ黒に焼けたところで、起きた。
こういう過ごし方もとても良い。いつも短い旅なのでアクティブに
つめこんで動いてしまうけど、たとえ長い間旅行に出ることができなくても、
一日くらいのんびりする日をつくると気持ちに余裕が生まれてリラックス。
しかしこの旅の、やたらと眠くてひたすらだらしなくなってしまうあの空気はなんだ?

トランクに荷物とこちらの空気をぎゅうぎゅうと詰め込んでチェックアウト。
空港へのお迎えまで時間があったので、最後の食事はホテルのレストランにてとることに。
その時の夕焼けは見事で、メランコリーな気持ちをいっそう引き立ててくれた。
生地がフワフワのピザに、しょうがのたっぷり入ったあたたかなスープ。
それにまたしても、のミックスジュースをいただく。
言わずもがな、おいしかった!

Kuta_hotel
中庭のレストランからの眺め。
安宿だったわりに、広くて清潔で良かった!
スタッフの方たちもとても親切で明るく面白かったよ。

やっぱりぼんやりとした男の人たちがたくさんそのへんの道ばたに座っていて、
果物や野菜、お供えの材料や、肉や魚などを売っている小さな屋台がいくつも出て、
舗装のなされていない歩道では、野良犬たちが怪訝そうな顔して寝転んでいる。
暗くなった町の景色は、車の中から眺めるとオレンジ色の街灯でキラキラしていて
ごく単純に、美しいと思った。また来るね!と景色と、見えない何かに手を振った。

バリのデンパサール空港からグアム経由、成田空港へという行きと全く
同じコースでの帰路になるわけだけれども、デンパサールからの出国審査が
日本からアメリカへ入国する時よりもだいぶ厳重だった。
アメリカへはいかなる国からも手荷物での液体の持ち込みは厳禁であり、
コンタクトレンズの保存液を入れたケースさえも持ち込み不可の対象であった。
目薬も化粧水も不可だったのであの乾燥した機内は真剣20代後半にはキツイものが…。

機内で隣に座ったバリ旅行者の日本人の方に、「何かダンスは観ましたか?」
と訊かれたがわたしたちは2人してぶんぶんと横に首を振った。そして驚かれた。
そこでやっと、一度も伝統であるというバリダンスを観ていないことに気付く。
「ケチャ観てきます」「レゴンダンス修得してきます」なんてさんざん言ってたくせに!
そしてそれこそがわたしの思い描いていた、まさにバリ的なものだったはず…!
「やっぱりいつかまた行くしかないってことだよね?」
2人とも今度はぶんぶんと縦に首を振った。
ふと外を見ると、円を描いたキレイな虹を見ることができた。
半円ではなく丸い円の虹なんて見たのははじめてでとても嬉しかった。
また来てね、と言われてるみたいだった。

成田空港に到着したのは午前11時頃。
みんな仕事してる頃だーなんて思って少し申し訳なく、少し優越感を感じて。
着陸に近づいて、雲を抜け下を見ると紅葉した山々が見えて来た。
茶色や緑、赤い色がモザイクみたいにキレイな田んぼも見える。
車や人がおもちゃみたいに見えてくるあの着陸寸前の景色ってなかなか好きだ。

やっぱり少しほっとして、帰国の手続きを済ませトランクを取りに行く。
すると悲しいことにわたしのトランクの2つあるうちの横についている方の
キャリー用の取っ手がなく、巻き付けておいたベルトもなくなってしまっていた!
荷物係の受付に行くと探すでもなく、もう見つからないものとして
「保険適用しますので書類に記入願います」と修理の申し込みを促された。
わたしは取っ手よりも、お気に入りだったイタリアカラー(赤白緑)の
ベルトの行方が気がかりで、それを言うと赤白青のトリコロール、ではなく
北朝鮮もしくはタイの色の赤白紺のカラーリングのベルトを代わりにくれた…。

このトランクは何年か前に弟から譲り受け、今までタイ、ニューヨーク、グアム、
ハワイ、オーストラリア、インドネシア、と私たち兄弟と旅をともにしたものなのだ。
安物だしボロボロだし中身もあんまり入らないけれど、愛着がある。
毎年のように、来年は新しいの買おうと思うのにこちらを使っている。
(でもRIMOWAのかっくいいやつ、いつかは欲しい!)

Trank

今頃わたしの取っ手とベルトはどこにあるのかな。
グアムの乗り継ぎのときにでも取れちゃったんだろうなあ。

吉祥寺までのバスの時間に余裕があったので、
なんかしょっぱいものが食べたいね、ということで丼もの屋さんに入る。
しらす丼と豚汁を、会話も無くもくもくといただいて満腹に。
となりに座っていた人たちは今からどこかの国に行くような会話をしていた。
空港の、いろんな国のいろんな人たちが交差して行く感じってなんだかいいなあ。
いってきます、いってらっしゃい、ただいま、おかえり、ようこそ、
がそこら中に溢れている。

よく眠ったせいか、帰りのバスの中でも、部屋に着いても眠くならずに
そんなに疲れてもいなかった。洗濯をして、トランクの中身を整理して、
うどんを作って食べた。いつもよりもしょっぱくなってしまった気がした。

今年も無事に楽しい旅行になったことに感謝する。
天気に、海に、食べ物に、プールに、エステに、夕日に、ありがとう。
かわいいHちゃんには最上級の感謝を。
また来年楽しく旅行をするために、身も心も健康でいられますように。
ムムディさんよ、よろしくおねがいします。

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2006年11月28日 (火)

Sitting,Waiting,Wishing 〜 バリ島旅行記(その3)

●2006/11/18

前の晩にバルコニーの手すりに、落花生を並べて置いておいた。
「きっと鳥たちがつつきに来てくれるよ!」なんて、メルヘンな気持ち。
起きてすぐにワクワクしながら窓を開けると、
手すりの上に等間隔に真っ黒のかたまりがうごめいていた。
トリではなく、クロアリが行列を成して群がっていたのだった。ああ、失敗!

少し残念な気持ちでトイレ兼シャワールームに向かい、
用を足していると視界の端っこでなにかが動いたような気がした。
今まで観たことのないくらい大きなアイツ、イニシャルGの出現だった。
声を出したらその声に反応して今にも動き出しそうだったので
何事もなかったかのように振る舞った。なんとかその場を凌いで
Hちゃんに声をかけ、しばしの作戦会議を開くことに。
2人でソロリソロリと様子を見に行ったらキャツはひっくり返って
足をバタバタさせている。そのスキに熱いシャワーをかけて撃退しよう!
ということになったが、こういう時に限ってなかなか湯が出ない…。
下手に水をかけて体勢を持ち直させてしまったのなら、相手の思うツボだ。
少し考えた挙げ句、発想を変えて、放置しておくことに決めた。
ホテルの人がなんとかしてくれるでしょ、という楽観作戦は見事に成功。
この旅で、ムムディよりもジゴロよりも怖かったのはこのゴキブリだった!

Trendy_1
どこに行っても大体トイレットペーパーは「TRENDY」。

そんなこんなで朝から血圧を上げて、フガフガ意気揚々と出陣。
この日も送迎車を頼んで、ヌサドゥアのビーチへ繰り出すことに。
クタからヌサドゥアのビーチまでは車で40分ほど。
車道も歩道も舗装不完全の箇所が多く、そして人々の運転は基本的に荒い。
たまにある信号で待つことになると窓をこづいて物売りの人たちが
新聞や卵などをこちらに見せてくる。強引な人となると、勝手に窓を開け
品物を放り込んでお金を要求するのだという。
外を見渡してみると10才くらいの男の子が重そうな砂袋を運んでいたり、
乳飲み子を抱っこして、車道の真ん中で新聞を売る女性も何人も見た。
水田では、たくさんのアヒルがガーガーと歩いているのを見かけた。
わー、アヒルかわいい!とニヤニヤしていると、運転手の方が
「稲を育てるのにバリでは農薬は使わない。アヒルに虫や草を食べてもらう。
…そしてその肥えたアヒルをわたしたちが食べる。」と説明してくれた。
無駄がないのだ。もちろんのこと、人々は生きる為に労働している。ここでは、
わたしが普段思っているよりもずっと、すべての物事が単純に回っている気がした。

因みに牛は神様(シヴァ)の乗り物なので食べることはないのだが、
田を耕すのは彼らの仕事なんだそう。これも余談だけど、
火の神様ブラフマン(梵天様)の乗り物はガチョウなのだという。
Hちゃんは「ダチョウ?」なんて言ってるし、想像すると微笑ましくて笑った。

広いヌサドゥアのビーチに到着し、さて何する?と相談するでもなく
てきとうなお店に入ってスタッフの方に相談することにした。
今からの申し込みで2日間でスキューバダイビングのライセンスも取れるよ、
なんて言っていたけれど、時間もないし心の準備も全くできていないので却下。
パラセイリング、バナナボート、ジェットスキー、沖でのシュノーケリング、
という4点セットでここは満喫することにした。なんて豪華!
決めたのなら早い。なぜか急かされてパラシュートをさっさと装備させられ、
わたしは気付いたらあっという間に空高くにいた。
不思議と全く怖くもなくて、ひたすら気持ちがよかった!
ずいぶんと長い時間、海の上をくるくると飛び回っていたなあ。
空で一人「気球に乗ってどこまでも」を唱ったのは良い思い出になると思う。

Paraseiring
♪ラーンラーンラララララララララーン…

そして熱く焼けた砂の上をダッシュして黄色いゴムボートにまたがった。
またがったと思ったらすぐに出発、沖の向こうまで猛スピードで引っ張られ
時にはジャンプをし、ゴムの上で尻がすべり落ちそうになる恐怖感を味わった。
バナナボートなんてどこが面白いんだろう…とグアムなどビーチで見かける度に
思っていたけど、スマン。めちゃくちゃ面白かった…!

Shutujin
いざ、出陣!

Iza
ブーーーン

Ittekimasu
ブーーーーーーーーン!(落っこちそう)

水分補給してお次はジェットスキー。言われるがままにハンドルを握らされ、
後ろに座った謎の日本語ペラペラ入れ墨バリニーズメンズが、
「ハイこれハンドルね。ゆるめたらストップ!」と簡単に説明してくれ急発進!
効果音をつけるのならアラレちゃんライクにキーーーン!だったと思う。
沖の方ではナイナイ岡村似の彼が、ザ・たっちなどの日本の最新ギャグを披露してくれた。
わたしのほうがトレンドに遅れていることに気付き悔しかったので、
これが最新だよ!と(最近モーレツに好きな)ダチョウ倶楽部の「どーぞどーぞどーぞ」
及び「聞いてないよ〜」を伝授した。するとフツーに「古いよ」と言われてしまった。
みんなよく日本のことを勉強してるんだなあ、と感心すると同時に
お笑い好きと自称していたはずなのに、最近のものはぜんぜん知らない自分にガックシ…。

インド洋の風に吹かれて、背中もすこし焼け、身も心も健康そのもの!
という充実感メーターが上昇してきたのが分かった。
夜は遊び疲れて早く眠り、朝早くに起きてしっかり朝ごはんを食べ、
フルーツや野菜もしっかり摂って、身体も存分に動かしている、という生活。
目に見るものは全て新鮮だし、悲しいことや落ち込むこと、面倒なこと
なんてひとつも思い出さない。これが充実と言わずになんというのだろか?
この充実感は「幸せ」という言葉にもそっくり置き換えることができる。

そんなことを思ったり、または素直に口にしたりしながら、
小さな舟に乗って沖まで行った。シュノーケリングで海を楽しむためだ。
フィンとシュノーケルを装着して、ざぶんと海に潜る。
ケアンズやグアム、タイの海の美しさにはもちろんかなわない、
キレイとは言えない海だったがやはり沖の方まで出てくると透明度が違う。
美しい南国の魚たちがたくさん、優雅に泳いでいた。
泡をぶくぶくさせながら、「ふぉれ、ひもひはりゅい(これ、こもちわるい)」
などと、細かい幾何学模様をした珊瑚などをつつきながら泳いだ。
ゆらゆらしていると中国人のツアー団体の舟が近くを通り、
あちらの言葉でなにか尋ねられた。水中メガネをはずして「アイムじゃぱにーず。
あいきゃんとすぴーくちゃいにーず。ソーリー。(ぶくぶく…)」などと
身振り手振りで大声で叫ぶと、鼻に海水が大量に入り危うく溺れかけた!

思う存分、魚と戯れて海水も堪能したところで陸へと戻ることに。
ミーゴレン(インドネシア風の焼きそば)を食べて、波打ち際でキャッキャと
現地の方も交えて海藻をぶつけあったりして、そろそろ移動しなくてはいけない
時間になってしまった。こんなに堪能してまだ時刻はお昼過ぎだなんて!

Miigoren
ミーゴレン。お皿と湯のみの柄がとてもかわいい。
ふつうの食器や何気ない小物などのセンスが良いのです。

この日、午後からはエステを予約していた。これまた人生初の体験。
ヌサドゥアのビーチから10分くらい、目的の場所へと車を走らせる。
この辺りはさながらアジアンビーチリゾートといった趣で、
ホテルのあるクタの辺りのギラギラした感じとまったく異なった、
のんびりとした雰囲気だ。リッチなホテルやスパが立ち並んでいるのが見える。
車をとめたそのスパは、安さで決めたものの予想に反してとてもキレイで広く、
なにかのハーブのような花のような良いかおりがふわりと空気を包んでいた。
ウェルカムドリンクとして頂いたジンジャーティーは、はちみつの淡い甘さが
ちょうどよく、海で冷えた身体の芯をやさしくほぐしてくれた。
3時間半のロイヤルエステティックというコースを選んで、おのぼりさんのように
ジンジャーティーを飲み干し(おかわりまでもらって)、部屋に招かれるのを待った。

アロマフットウォッシュ、全身のリンパマッサージ、ミルクスクラブ、
オイルマッサージ、フラワーバス、フェイシャル、オプションでさらに足のマッサージ。
これで日本円にして8千円ほど。うっかり毎週通いたくなってしまうような価格設定。
他のエステに行ったことがないので比べようもないのだけど、最高の心地だった。
背中がすべすべになって、顔がたまごをむいたみたいにつるつるする。
腕や足は触るともちもちしているし、肩はとても軽い!
エステやマッサージにハマる気持ち、じゅうぶんに分かってしまったなあ。

しかし2つの隣り合ったベッドの上で無防備にマッサージされている姿は、
今考えるとなんだかちょっと恥ずかしい。Hちゃんは気持ちがよすぎて
ほとんど眠っていたのだそう。赤い花びらが大量に入ったバスタブ(ねこあし!)
に身体をうずめて、お姫様の気分も味わった。でもそのうちに花びらを全身にくっつけて
「ムック」と形態模写しはじめたのはどっちが最初だったかな?

ほえーっとOLの教祖、SHIHOさまのような気分でコース終了。このニュアンス!
着替えて待合室でぼんやり周りを観察していると、男性が何人かロビーのソファで
腰を下ろしているのが目立った。一緒に施術を受けたのか、もしくは待っているのか。
なんだか日曜日の地方のデパートみたいな光景だなあ、と思った。
彼女、もしくは奥様のバーゲンセールに付き合う男性のつかれた姿を思わせた。
きっとマッサージは男性が受けても気持ちがよいに違いない。でもやはり、
こういうのは女性の世界のもので、居心地の悪さを感じているのではないかなあ、
などと思っていた。まあ、余計な心配。でもさ、花びらのお風呂にヒゲのあの子とか!
友人を一人一人思い浮かべたら面白くて仕方がない。入らせたいかも。くくく。

お土産にすてきなマッサージオイルをもらって、ホテルまで送ってもらった。
バリ島には電車というものがないので、必ず車での送迎がある。
さて、今夜の夕食はいかが致しましょうか?と、本当はバリのダンスを鑑賞しに
また街のほうまで出てもよかったのだけど、この汚くてちょっぴり危険なクタの街にも
馴れて、そして愛着を感じるようになってきた。ということで、
レギャン通りを散歩しつつ、目についたレストランでゆっくり夕食をとることにした。
地元の中華定食屋といったいったかんじの、こじんまりとした佇まいの屋台風の
お店に入った。ごま油と野菜の炒めたような香ばしい匂いが食欲をそそる。
ギネスビールを頼んで、いくつかの料理を持って来てもらう。どれもおいしかった。
最後に頼んだアボカドのジュースがびっくりするほどおいしかった!
バリはフルーツが本当においしい。雨期のはじまりで、季節的なものもあったようだ。
雨期のこの時期はいちばんフルーツがおいしいのよ、と近くのテーブルの
バリに在住しているという日本人のお客さんが教えてくれた。

Avocado_drink
とろとろのアボカドにチョコレート!これがすごく合う。
8種類も果物が入ったミックスジュースもおいしかったなあ。
いずれも100円くらい。安い!

クタのあたりの通りはかなりの交通量のわりに、信号がなく横断歩道も
あってないようなものだった。わたしたちは道を横切るだけでも決死の覚悟がいる。
大縄跳びに入るタイミングをはかるかのごとく、向こう側にやっと渡ることができ、
ほっとしたところでバリ人ジゴロが近づいてきて何か卑猥なことを言ってきた。
はいはいどーもスミマセンちょっと通らせてねーとその場をくぐり抜けたと思ったら、
野良犬たちがたまっており、危うく尻尾を踏んづけそうに。
(帰って来たらちょうどニュースで狂犬病の話題を見て、危なかったと思った!)
ゴミはそこら中に落ちているし、道の舗装もガタガタ。Hちゃんはサンダルで足を
怪我してしまっていた。歩くだけでなにかが起こる街だ、とため息をついた。
ホテルの近くの路上で売っていた色もかたちも美しいブドウを2房と、
スーパーマーケットでBali-Hiというこちらも地元のビールを買って部屋に戻った。

「じゃあさ、ちょっとさー、寝るね。」
とかなんとか言いながら、何を思ったかわたしたちは明かりもつけたまま、
化粧も落とさないまま、もうとにかくなーんもしないまま、眠り込んでしまった。
部屋に到着して15分もしないうちの就寝だったかと思う。
なにかの物音で午前4時に起きたときには本当にびっくりした。
Hちゃんを起こすか起こさないか迷った挙げ句、起こすことにして、
そこから買って来たブドウとビールで酒盛りをすることになった…。
こんな時間に起き抜けのむくんだ顔で2人して笑いながらビールを呑む図って。
ブドウは今まで食べたブドウの中でいちばんおいしかった。
皮まで種まで食べられちゃう。ビールにブドウ、意外に合うもんヨ。

Balihi
午前4時のアシッドな酒盛り。2人ともトランス状態です。

食べ終わって顔を洗ってはみがきをして本当の就寝。
翌日の夜には飛行機に乗って、日本へ戻らなくてはならなかった。
寝ちゃったねーなんて時間を惜しみつつも、その後の記憶は朝までない。
わたしの充実感メーターは、完璧に振り切ってしまったものだと思われる。

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2006年11月25日 (土)

Neo Yankees' Holiday 〜 バリ島旅行記(その2)

●2006/11/17

朝の7時に目覚まし時計で起きる。
大丈夫、ちゃんと起きられた!はじめて迎えるバリ島での朝。
カーテン代わりの、木でできた格子の枠の隙間から白い光が漏れている。
にわとりと犬の元気な鳴き声が、すぐ近くから聞こえてくる。
バルコニーに出ると、むわっとする風が熱帯の花の良い香りを運んできた。

Restraunt_frog
至るところに、カエルをモチーフとした像がある。
そしていちいちお花が添えてあって、なんともかわいらしい。

出かける準備を済ませて、ホテル内のレストランへ朝食をとりにいく。
入口などいろんな箇所に、なにかの幹でできたような小さな入れ物があり
色鮮やかな植物とお米、お香が添えてちょこんと置いてある。
ふと周囲を見渡すと、ホテルのエントランスにも、
プールの入口にも同じものが飾ってある。
(街に出て気付いたが、車やバイクにも、人間の生活のあるところに
必ずそれはある。入れ物のかたちや花の置き方など、どれもセンスが良い!)

Yashinomi
今にも落ちてきそうな、たわわに実ったヤシ。
ランみたいな良い香りの花もそこら中に咲いていた。うっとり。

Ganeshazou
この真っ赤なハイビスカスがとてもお似合いなガネーシャ像の
下に置かれているのがお供え物。かわいいんだわ。

これはなんですか、とレストランのスタッフの方に伺うと
バリは精霊と魔物の2つの世界が共存していて、
どちらも同じように人に受け入れられ、そして敬われるのだそう。
外の世界ではそのようだけど、人間の心の中にも
ランダ(悪)とバロン(善)の精霊が潜んでいて、毎日戦いを繰り広げている。
但し、両者の力は互角なので勝負はつかないと信じられているとのこと。
そのためのお供え物で、朝または夕方に必ず置きお祈りを欠かさない。
地面に置くのは魔物避け、石像の上や台に置くのは神様向け、
と言っていたような言ってなかったような…。

バリのヒンズー教は、イスラムやキリスト教とがごく自然に混ざり合って
独特の資質を持っている。お供え物は、インドのヒンズー教にはないもので
精霊信仰のあるバリ独自の風潮がミックスされてできた文化なのだそうな。

余談で「ニュピ」といわれるバリのお正月は(4月頃らしい)
島を悪霊が通り過ぎる時期で、家の中に閉じこもっていなくてはいけない。
ガスや火も使っちゃいけないのだと教えてもらった。
店も開かず、停電のところもあるので、旅行者は軟禁状態になるのだそうな。
この時期に旅行に来なくてよかったなあ、と思った!

じぶんが無宗教なことについて、特に考えを巡らせるわけでもなく。
ただただ、信仰心に基づいた生活というものを想像してみた。
が、なかなかできなかった。

帰ったらクリスマスで、きっとパーティーをするんだ。
それでお正月には、神社にもお寺にも行くのだろうな。
神様にも仏様にも、実在するあの子にもしあわせをお祈りしちゃう。
その先まで一歩すすめて頭を回転させようとするも、無駄だった。

Asagohan
朝食のメニューはパンケーキとベーコンオムレツ、それとフルーツだった。
主食やたまごは選ぶことができた。
朝食をこんなにもきちんと摂ったのっていつぶりかな。

この日は丸一日、車(と現地ガイドさん)を頼んで島内観光をすることにした。
丸一日、車と運転手を独り(二人)占めしても30ドルほどで驚くほど安い。
もっとも、交渉次第で安くもなったらしいが…。

まずはバリの中部に位置する中心街、ウブド方面へと車を走らせてもらう。
芸能・芸術の中心地でもあり、夜な夜な、伝統舞踊が舞われ
ガムランの音楽が村中を響くのだとのこと。
夜に照準をあわせて行けばよかったね!なんて思いながらも、
明るい昼間のウブドを楽しむことができた。
ウブドとは街の名前というわけではなく、村々(デサという)
の集合体の呼称だということをガイドさんの説明で知った。
途中、インドネシアのバリ更紗を製造している工場に立ち寄って
布になっていくその手作業の工程をじっくりと見学させていただいた。

職人さんたちの糸を操る手や、鮮やかで美しい色合い、デザインに
感心したところでまた車に乗り込む。窓の外に目をやっていると、
石像がひしめきあっている庭や、大きな絵がたくさんかかっている家、
小さな寺院のような舞踊場もたくさん見かけた。
ウブドは別名、芸術村とも呼ばれているとのことだ。

ウブドの東ブドゥル地区は、11〜14世紀にかけて(1000年前かよ!)
バリ島の初期の王朝、ペジェン王朝が栄えた地で
数えられないくらいの古代遺跡や歴史ある寺院が点在しているという。
まずは「象の洞窟」という意味の「ゴア・ガジャ」寺院に訪れた。
いきなり見えるのは、悪魔のかたちに彫られた入口の洞窟。
悪魔のかたちに見えるのは魔女の「ランダ」さんなのだとのこと。
大きな岩をくりぬいて、洞窟になっている。
その中は暗く、僧の寝床といわれた1メートル50センチほどの横穴や
瞑想場所といわれた50センチほどの縦穴が無数に空いている。
奥には顔はゾウ・身体は人間のガネーシャ像、
そしてヒンズーの3大神である、シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマンの
リンガ(シンボル像)などが祀られていた。なんともいえない雰囲気。

Goa_gajah
丈が短めのワンピースだったので、足を隠さなくてはいけなかった。
青いサリーをくるりと巻いてもらって信号機のようなわたし。ランダさんと一緒に。

外には沐浴場もあり、その上から大きなワタの木が私たちを見下ろしている。
至る所に白いフワフワが落ちており、風に吹かれる度に舞って不思議な光景だった。

そのあとは、ウブドの郊外へと車を走らせて早めの昼食をいただくことに。
ライステラス(段々畑の水田)を観ながらカフェでランチ、というものを体験できた。
雑誌の写真や、人の旅行記などを見て「いいなあ〜」と思える、
想像するバリ的なシチュエーションだったので実に感無量。
眼下の広大な田んぼ、そこから吹いてくる涼しい風に吹かれて頂く
チキンカレーは絶品だった。マンゴージュースは濃厚で、
思いのほか、まったりのんびりゆっくりしてしまった。
できることならここで3時間くらいはのんびりしていたい、というのが本望。
しかし3泊の弾丸ツアー。また来るね、と後ろ髪ひかれる思いであとにした。
ケーキもお茶も、すごーくおいしそうだったんだよなあ…。

Chiken_curry
絶品のチキンカレー!野菜スープもやさしい味で、おいしい。
インドネシア料理、ますますのファンになったよ!

Mango_juice
すごく濃厚なマンゴージュース。
皮までもすりつぶしてあったのではないだろか?

Rice_country
で、目の前はこんな眺めがドーーーン!
ピロロロロロと、とんびのような鳥の鳴き声も聴こえたのなら
完璧なシチュエーションの出来上がりです。

そのあとは市場の近くで降ろしてもらって徒歩で散策した。
いかにもなバリ人ジゴロたちの甘いささやきにニヤニヤしながら
ある舞踊場の中に潜入して奥の方までお邪魔してみた。
大きなステージの奥は民家になっていて、バリの街での生活が垣間見える。
軒先には必ずといって良いほど、優雅な鳥籠に入った鳥たちがいる。
5才くらいのかわいい女の子が「ハロー」と声をかけてきた…
と思ったら、すぐに隠れてしまう。(かわいすぎる!!)
柱の影からちょこっと顔を出してニコニコしている。
話しかけるとどこかに逃げてしまって、恥ずかしがりやさんなのだ。
そこでわたしはあるコトを思いつく。小さな折り紙を持ち歩いていたので、
ツルをその場で折ってプレゼントすることにしたのだ。
…大成功!!興味津々で近づいて来て、そしてとってもよろこんでくれた。
一緒に写真を撮ったのを見ると、子供ってかわいいよなあ、と
オトナの気持ちで素直に思わずにはいられない。わたしの顔もいつもより穏やかだ。
折り紙を折っていると、他にもイギリスの方とトルコの方が話しかけてきて、
やはり折り鶴をプレゼントすると大変よろこんでくれた。
今度どこかに旅行する際には和服でも着ていって、
これ見よがしに折り紙を折ったりしていたら、面白いのではなかろうか。
世界中におともだちが増えるのではないか。
と思うも、現地ジャワ人に「私たちと顔が似ている」と言われること2回…。
わたしもうすうす感づいてたよ!ヘイ、トモダーチ!

Gamuran_gakki
これらの楽器や装飾品などを用いて、主に観光客のために
夜な夜な踊るのだそうな。荘厳でいながらもどこか素朴。ステキなのである。

Osonae_tool
お供え物のつくり途中のものが放置してあった。
入れ物はやしの葉っぱで編んでいるのだな。

Torikago
どの軒先にも、こんなにかわいらしい鳥籠が吊るしてある。
そしてそのへんにはニワトリがうろうろしていた。とりまみれ!

Ubud
ウブドの市場。いろんな色が目に飛び込んで、いろんな匂いがします。
そして、いろんな人々がいます。動物もいます。

他にも行きたかった寺院やお店があったのだけど、この日のメインイベント
として設定していた、「ビーチでサンセットを観ながらのディナー」に行くのに
時間が押し迫っていた。少しこっくりこっくりしながら、ホテルへ戻る。

市場で買った、オレンジ色の珊瑚のついたネックレスと、
薔薇の細工が細かい銀のリング、黄緑色のトルコ石と珊瑚がついたブレスレットを装着。
髪の毛を結って少しだけオシャレをして、ジンバランのビーチへ向かった。
どこへ行くにも、日本人観光客向けと思われる送迎があるのでとてもラクチンだ。
本当はベモ(乗り合いバス)なんかで行ければよかったのだけど、
ジンバランまでは近くから出ていないとのことだった。

シーフードのバーベキュー盛り合わせと、地元BINTANGのビールで乾杯。
この旅ではじめてのアルコールを注入。ごくごくとうるおいをチャージした。沁みるゼ。
ロブスターや、魚、大好きな貝類、クキクキしておいしい空芯菜やらフルーツを
これでもかとたらふく食べて2人で日本円にして3千円くらい。安さにびっくりする。
海のむこうの島に沈むこの日の夕陽は、わたしが今までに観た太陽の中で
1番か2番目に美しかった。(いつか沖縄で観た夕日もすばらしいものだった。)
大きくて、淡いオレンジ色のまんまる。波に白く反射して、またそれが美しい。
途中、バーベキューの煙がすごくて目にしみたのは少し残念だったのだけれども!

Robstar
ごはんも空芯菜も、そしてシーフードにつける
ソースもすべておいしかった。ニンニク味が好みです。

Jinbaran_sunset
本当はもっと海辺で撮りたかったのだけど、
カメラをテーブルに置いたまま、走り出して観に行ってしまった!

うっかりしていたら涙が出そうになるくらいで、今ここにいる幸せを
歯形がくっきりとつくほど噛みしめた。でもでも、

 Oh Yeah ナイーブな気持ちなんかにゃならない
 Oh Yeah 人生は大げさなものじゃない

 何も減らない毎日に ボクらはスッとするのさ
 水平線の向こうから 昔と同じ音がする アー

         ー 「SLOW DAYS」(フィッシュマンズ)

思い出は淡く淡く積み重なれて、ボクらを決めつけたりするんだって
この曲に教えてもらった。これをわたしのテーマにするんだっていつか決めたけど、
そんなことずっと忘れていた。バリ島の夕日の前で思い出すなんて。
けだるいリズムが頭ん中から離れなくて、身体も心もゆるみっぱなしだった。

少し遠くのほうに、煌煌と火が焚かれ、
たくさんのろうそくがゆらゆらと揺れている様が眺められる。
陽が落ちて暗くなって、吸い込まれるかのようにその場へ向かった。
わたしたちは会話もなく裸足だった。
10分ほど暗い砂浜を歩くと、不思議な音とリズムが響いてきた。
丸いちょうちん、焚き火。波の音にあわせるように鉄筋や打楽器の音が
大きくなったり小さくなったりで、不安にさせたりほっとさせたりする。
これがガムラン音楽と呼ばれるものなんだろうと予想が立つ。

近づいてみると、小さなレストランの前でお祭りのようなものが行われていた。
なんのお祭りですかと近くのひとに尋ねるも、よくわからなかった。
レストランの催し物の一環かとも思われたけど、なんとなく雰囲気が異質だ。
お祝いなのか、どういう集まりなのかもよくわからない。
不思議なストーリィの本を前日に読んでいたからか、
どこか別の世界に辿り着いてしまったような気分になった。
その場に座って、ずいぶんと長い間そのリズムと波の音にに酔いしれた。

Candle_beach
フジロックを思い出した!
ヘブンでガムランなんてのも、良いのでは?

現像した写真に、白い玉のようなものが何個も映り込んでいるものを発見した。
砂かほこりかとも思ったけど、前後の写真にはそれはなく、
この1枚だけだった。気になって調べてみると、「ムムディ」と呼ばれる
精霊の仕業なのではないかという結論に。この砂浜で撮った写真なのだ。
こんなのは神様のたくさん住むバリ島では当たり前の現象だという。
真偽のほどは定かではないが、不思議と怖くもないので
写真はそのままにしておくことにした。(大丈夫だよね……???)
そういう見極め能力をお持ちの方がいたら、今度ぜひ見てやって欲しいのだす。

Hちゃんはこのビーチで、白い玉のようなふわりとしたものを目撃したという。
写真に映っている玉のようなものと似ていたのだと!
一緒に歩いていると、突然びっくりしたり、何もないところでつまづいたり
ということがあった。つまづくことはこの娘は日常茶飯事なのだけど、
あきらかに普段よりも多かったので、スニーカー履きなよーなんて言っていた。
「さっき、目の前に人が突然来てびっくりした」なんてことも言っていた。
あの雰囲気だったら、何があってもおかしいと思わない。きっと何かが見えていたのね。

不思議なジャラン・ジャラン(バリの言葉で「散歩」の意)を引き上げ、
「帰ってプールかバルコニーでお酒を呑もう!」とテンションを上げた。
ビーチの屋台で売っていた、茹で落花生を買ってホテルへと戻る。
近くのスーパーでチョコレートと、水と、ハイネケンを購入。
バリの人はお酒をほとんど口にしない。冠婚葬祭の時くらいだとのことだ。
スーパーでもお酒コーナーはこぢんまりとしていて、なんとなく申し訳ない感じだ。
確かに、あんなにもおいしいフルーツジュースを毎日飲んでいれば、
アルコールなんて要らないような気がしてくる。
…などと思いながらも、ビールをイキイキと購入したわけだけれども。

部屋につくなり水着に着替えて、夜のプールに飛び込んだ。
いつもプールにいる白人たちもこの夜はいなくて2人占めだ。最高の気分。
サマーベッドに横になっては、またはそこに置いてあったサングラスをかけては、
ここぞとばかりに「欧米か!」とツッコミあっていた。ゆるすぎる。
スマートなHちゃんが泳ぐ姿はとてもキレイで、映画のワンシーンみたいだった。

レストランの大きなスクリーンでは、「グレムリン」が上映されていた。
ぷかぷかと水に浮かびながらギズモを愛でることもきっと一生に一度だろうなあ。
水を飲みにくるコウモリたちが、まるで停止しているみたいに見えた。
黒く薄いつばさでチロチロと素早く飛んでいるはずなのに、
彼らが水を飲むかわいい口元まではっきりと見えたような気がしたのは
わたしの妄想だったんだろうか。なんだかまるでスローモーションみたいだった。

わたしはぜえぜえするほど本気で泳いで、心地よく疲れていた。
うとうとするのをこらえながら部屋に戻ってシャワーを浴び、狭いけれど
ステキなバルコニーにテーブルと椅子をセットして、冷やしたハイネケンを開けた。
そういえば、この緑色のラベルってすごく洗練されたデザインだと思うのな!

落花生は香ばしくておいしかった。日本のものよりも粒が小さいけれど、
味がぎゅっと濃いと思った。なんの中身もない、それでいて身悶えるほど楽しい
会話をして(ひたすら喋ってたね!)またまた大の字で眠ることとした。

Osharemegane
おしゃれな鼻メガネでバリの夜は更けていきましたとさ。

それからどんどこしょ!

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2006年11月23日 (木)

...City Of Stars 〜 バリ島旅行記(その1)

この時期の恒例である海外旅行は3年目を数える。
先週の木曜から、インドネシアはバリ島へと3泊5日で行って来た。
今回も同僚のHちゃんと一緒にある暑い夏の日に計画を立てて
日程が近づくにつれ、顔を見合わせては口元がニヤつく毎日を過ごした。

帰ってくると冬がすぐそこにいて、今年もやっぱりそうだった。
顔に感じる空気の冷たさは、まるくなった背筋をびしっとさせる。
つい半日前までは、大きな太陽の下で溶けてしまいそうだったのに!

旅先に持っていく本は小さなガイドブックと、
「マリカのソファー」(吉本ばなな)、
「トム・ジョウンズ」(フィールディング)の1〜4巻。
不思議で且つ生き生きとしたストーリィたちは、この旅にまるでお似合いで
プールサイドでサマーベッドに横になって、のんびりと。
そしてちょっとドキドキしながら、読んだ。
いつのまにか眠りにおちて、タオルからはみ出てしまっていた
両足の甲が真っ黒に日焼けしてしまったことは、予想された範囲のことで?


●2006/11/16

旅立ちの朝は、いつも早起き。そして決まってよく晴れている。
Hちゃんとモーニングコールならぬ、モーニングメールをして
エイヤッ!と身体を起こした。時計を見ると5時半。
3時までだらだら起きていたので当然、眠い。
ただ今回は移動時間がとても長いので、それくらいが丁度良いのだ。
6時半の吉祥寺発、成田行きのリムジンバスに乗り込もうと
家を出発したがなななななななんと、電車に乗り遅れた…!
次の電車に乗ると到着するのが31分、少し待ってはもらえぬか
とバス会社に電話し「3分だけ」とありがたいお言葉をいただくも
電車が遅れ、間に合わず。ツメが甘い、とはこのこと!
まさかとは思いつつも、いつかやるだろうと思って(思われて)
いた事態が今、ここに…。はぁ…。

事実を受け止め、眠気も一気に引き、落ち着いて対策を考える。
ここは電車で行くよりも次の7時半のバスに乗るほうが
よさそうだとの結論を導き出し、バス会社にまた連絡してみる。
すると「かわいそうなので7時半にそのまま乗せてあげますよ。」
との神のお言葉。ありがたく次のバスに乗せていただき、
しかも渋滞もなく9時過ぎには搭乗手続きを済ますことができた。
空港で待つHちゃんは「想定内の範囲ですよ」と言ってくれつつも、
トホホ顔だったのは気のせいではないはず。でも、あー、間に合ってよかった!

コンチネンタル航空CO902便、グアム経由にてデンパサール空港へのフライト。
到着するのが夜の11時。長い機内のお供は、音楽でも本でも
おしゃべりでも睡眠でもなく、主に折り紙!
ジャパニーズトラディショナルクラフトワーク、オ・リ・ガ・ミ。
仕事の休憩時間にひそかに流行っているのが(およそ3名だけだけど)
この折り紙で、Nさんブログにあったあるサイトを見てから
すっかり折り紙のとりこになってしまったのだった。
社内にカメラや携帯電話を持ち込むことができないので、
わたしたちの作品を発表できる場が限られていることが残念だ。
書類棚の一部は、鍵をかけて折り紙がたくさん飾ってある。
この夏の終わりから、毎日かかさずに折っているのだから相当な数だ。
最近は、ペーパークラフトの組立てにまで手を出しているハメに。
YAMAHAのサイトにある、希少動物シリーズはたまらない!

Origami_kinai
57mm×57mmの小さな折り紙を携帯していった。
手裏剣ばっかり作って、並べて喜んだり…。

せっせと折鶴をこしらえたり、今までに折った作品を復習してみたり
しているうちにグアムへ到着。わたしは国際線では直行便しか乗ったことが
なかったのでトランジットは初体験。空港から出られない3時間は
折り紙を折っている7時間よりも、いくぶんか長く感じた。
上空から見るグアムの夜景はものすごく美しかった。
たくさんの街灯の灯りがオレンジ色にまあるく光っていて夢みたいな光景だった。
ちょうど太陽が昇る時刻ころに東側の待合室にいたので、
一日のはじまりをしっかりとこの目で確認することができた。
眩しい太陽に、今回のこの旅が幸先の良いものになると直感的に確信した。

そこからインドネシアはバリ島のデンパサール空港までおよそ3時間。
軽い夕食をとって、ここからはじまる旅のことを少しだけ話して眠った。
途中、ホットコーヒーを頼んだのだけど、なぜかわたしの熱いカップには
ストローがささっていた。Hちゃんのほうにはささっておらず、わたしだけ…。
しかも乗り継ぎ前、乗り継ぎ後、どちらの機内においても、だ。
ホットコーヒー(ブラック)をストローで飲め、というストレートな要求として
受け取るのも舌をヤケドするのが目に見えていたので、そっと脇に置いた。
果たしてなんのメッセージだったんだろうか?
「アキちゃん、いつもこういう役だよね!」そう、そうなんだよねー。

Jetsons_plane
機内のビデオ放映、アニメチャンネルでは大好きな
宇宙家族ジェットソンズが!エルローイ!ここで会えるとはね?

Coffee_straw
ホットのブラックコーヒーにストロー、これで飲めと。
マドラー代わりかとも思われたのだけど、
わたしの横の人のはストローなんて挿さってない、挿さってない。

そうこうゲラゲラと笑っているうちに、デンパサール空港へと到着。
空港内へ足を踏み入れた瞬間のにおいは、非常にスパイシー!
「韓国の空港はキムチのにおいがしたよ」という誰かの言葉を思い出す。
嗅覚の記憶は心の奥底(または脳みその深いところ?)でしっかりと根付くものだ。
じめっとしたまとわりつくような空気の感じと、独特の香り。
その時に目に飛び込んできた街灯とぼろぼろのコンクリート、朱色の屋根、
出迎えてくれたかわいらしい石像たちの記憶とばっちり結びついたんだろう。
たくさんのポーターさん(ぼったくりだと聞いておいてよかったよ!)に囲まれて
半日ぶりのトランクに再会した頃にはもう、その空気の感じには馴れてしまっていた。
はじめて来たはずなのに、なんとなく「あ、ただいま」と思ったのはなんでだろう。

旅行会社のライトバンに乗り込んで、クタというバリ島の南部に位置する街の
ホテルに移動した。北のレギャンという街に延びる目抜き通りを走って
狭い道にいくつか入りホテルへと到着。暗くてよく分からなかったけれど、
激安だったわりに、ぜんぜん悪くない外観!と好印象だった。少しほっとした。
周辺は小さな雑貨屋やレストラン、果物などを売る屋台や、あとはよくわからない
お店がたくさん連なっている。ベンチに男の人たちがニヤニヤしながら座っている。
道は狭くアスファルトはガタガタしている。バイクと車の交通量が多く、
そこら中にいる野良犬や野良猫、野良にわとり(どれも野良かどうかはわかんないネ)は
よく轢かれないなあ!と、まず感心した異国の文化はそこだった。
車の中でガイドの方が、夜は女性だけで外に出ない方が無難、ということと
両替は絶対にホテルで行って下さい、ということを強く忠告してくれた。
オーケー、オーケー。

チェックインを済ませ、ホテル内を散策することにした。
日本人が多いのかと思っていたら、どうやら欧米の方と思われる白人が多い。
帰って来て調べたら、クタのビーチはサーファーのメッカであり、
物価も安いことなどから、世界中のバックパッカーたちが一年中集うのだそうな。
確かにホテルのロビーにはサーフボードがたくさん置かれていた。
中庭に、古いけれどきちんと掃除がされていてキレイな、感じの良いプールがある。
夜中にも関わらず泳ぐ人たち。ペーパーバックを顔に乗せて寝ている人。
オープンカフェになったレストランの、大きなスクリーンをじいっと見入る人。
前、右、後ろ、左、前、そして上をゆっくりと見上げたら星がたくさん出ていて、
遠くから知らない音楽が聴こえてきて、胸がワクワク、膝がムズムズ!
部屋に戻ってシャワーを浴び、ゆったりとしたベッドで大の字で就寝した。
夢なんか見ないで明日のためにぐっすり眠ろう、と意気込むまでもなく。

Hotel_11
おやすみなさい。
(ところでホテルってどうしてこうも暗いのかしら!)

つづく。
ああ、大長編の予感。

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